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リーバイスのタグ・製造年月の見方|数字を読む順番と年代判別

古いLevi’sの内タグには数字がいくつも並びます。ところが、品番・色/生地・工場・製造年月を示す数字は別物です。ひとつの数字を見つけて年式を決めると、工場コードを日付と読み違えることがあります。まず全体の仕様で年代の範囲を絞り、その範囲に合う形でコードを読む——これがぼくの順番です。
最初に撮るのは4か所
年代判別を人に頼むとき、数字のアップ1枚では判断材料が足りません。ジャケットなら次の4か所を同じ明るさで撮ります。タグが薄い場合は、濡らしたり薬品を使ったりせず、斜めから光を当てると凹凸や残った印字を拾いやすくなります。
- 全体:胸ポケットの数、V字の切り替え、ハンドウォーマーポケットの有無を写す
- 紙パッチと赤タブ:Lot/サイズ、Big Eかsmall eか、タブが片面か両面かを確認する
- ケアタグ:表裏と縫い付け部分まで写す。数字の位置・言語・素材・印刷方式も年代の手掛かり
- ボタン裏:最上段ボタンの裏刻印を正面から写し、タグ上の工場コード候補と照合する
品番と製造年月は別の数字
タグには数字がいくつも並びますが、役割は大きく2種類しかありません。長い品番と、短い3桁です。ここを分けないまま「いちばん数字らしいもの」を年式として読むのが、いちばん多い失敗です。
長いほうから。Levi’sの現行公式説明では、PC9と呼ぶ商品コードは先頭5桁がスタイル、末尾4桁が仕上げ・ウォッシュです。公式が挙げている例は 00505-4886。前半の00505がメンズ505のジーンズ、後半の4886がその仕上げを指します。後半は日付ではありません。
古いLot番号を現行PC9とまったく同じ制度だと断定はできませんが、長い品番を「モデル側」と「仕様側」に分ける考え方は共通しています。ハイフンの後ろを見て年を読もうとしない——これだけで誤読がひとつ減ります。
前半がモデル、後半が生地・色・仕上げ。年式は入っていない。現行はケアラベルに「PC9」を付けて記される。
特定様式の1970年代紙タグなら、製造年月の候補(月2桁+年末尾1桁)と工場コードの候補。どちらも候補であって確定ではない。位置と様式で役割が変わる。
3桁が実際にどう並び、どこまで絞れるのかは、1着を最後まで読んだ70505のタグを読むのほうが具体的です。ここでは役割の分け方まで扱います。
製造年月コードの読み方
1970年代の紙ケアタグには、上部の3桁を月2桁+年の末尾1桁として読む実例があります。たとえば3桁のうち先頭2桁が月、末尾1桁が年の末尾という読み方です。ただしこれは古着専門ブログの実例に基づく有力説で、Levi’s公式が公開した年月コード表で確定したものではありません。ブログによっては「年/月」の並びの例もあり、桁の並びは様式で変わります。だから数字だけを暗記せず、まずタグの様式へ戻ります。
この読み方には末尾1桁しか分からないという限界があります。末尾が6なら1966・1976・1986年が候補に残る。ここを1つに絞るのは、数字ではなく仕様の仕事です。
大きな味方になるのが、紙(布)のケアタグは1974年以降にしか付かないという点です。ケアタグ付きというだけで、その個体はまず1974年以降。この一点で古い側の候補が落ちます。残りは赤タブ・ポケット・型で絞ります。
3組の数字が並んだ個体を、年・工場・生地仕上げまで追った記録は70505のタグを読むにあります。
この記事は数字の役割を分けるところまで。あちらは1着を読み切るところまで。手順を確かめたいならここ、実物で照合したいならあちらです。
3桁=常にMMYと暗記せず、同じ型・同じタグ様式の実物例で照合してから、月まで狭めるのはボタン裏まで揃ってからです。工場コードはボタン裏と照合する

Levi’s公式FAQは、ジャケットのボタン裏に製造工場を示す刻印があると説明しています。古い個体は1〜2桁、新しい個体は3桁が一般的ともしていますが、例外を含む目安です。
内タグの短い数字を工場コードと考える場合、最上段ボタン裏の数字と一致するかを見ます。先頭のゼロは除いて照合します。一致しないから即偽物とは限らず、ボタン交換・読み間違い・異なるタグ様式の可能性を先に検討します。
ただし、工場番号と所在地を対応させたLevi’s公式の歴代コード表は確認できていません。番号が工場を指すことは公式FAQで確認できますが、どの番号がどの町かは、会社・政府資料とコレクター資料を重ねた判断です。所在地まで述べるときは、この段差を残します。
番号から工場の名前と歴史まで追った例は70505のタグを読むにあります。ここで扱うのは照合のしかたまで。あちらは1つの番号を工場史まで掘る記録です。番号ごとの対応表そのものはボタン裏刻印と工場コードのほうが厚い。
ケアタグの種類で見比べる
「ケアタグの形・素材・言語・印刷方式を見る」と書きましたが、見比べる相手が無ければ見ようがありません。ここまでで確認できた分を、一枚にまとめます。
| タグの状態 | 読み取れること | 根拠の強さ |
|---|---|---|
| ケアタグが無い | 米国のケア表示制度より前の可能性。ただし切り取られただけのこともある | 制度側は公式(FTC) |
| 紙(布)のケアタグが付いている | 1974年以降。066のような末尾6なら1966年が機械的に外れる | 単一源(古着専門ブログ) |
| 横長の small e ケアタグ | 66前期相当。1970年代半ば | 単一源(コレクターの解説動画) |
| 縦長のケアタグ | 66後期寄り。べったりした色落ちの個体に対応 | 単一源(同上) |
| 旧JIS記号(「洗濯機」「弱」など文字併記) | 日本での流通は2016年12月より前 | 公式(消費者庁) |
| ISO準拠の記号(桶・三角・四角・アイロン・丸の41種) | 日本で2016年12月以降に新品として流通した個体。当時のオリジナルではない | 公式(消費者庁)+推論 |
| PC9の文字がある | 現行の商品コード体系 | 公式(Levi’s) |
内タグが無い、切られている個体
ヴィンテージではよくあります。前の持ち主が切ったのか、もとから無いのか、ここも分かりません。
ぼくの決め方は単純です。タグが無いなら、数字からの年代判別は諦めます。赤タブ、ボタン裏、ポケットの有無、縫製、パッチで範囲を絞るところまでにして、「1970年代」のような幅で止めておく。年を一つに決めたくなりますが、決められるだけの材料がありません。
素材の見当についても同じ考え方で、素材タグの読み方に「タグがない服は推測を確定にしない」という節を作ってあります。合わせて読んでもらえると早いと思います。
そして買うときは、タグが無い個体は年代が確定しない前提で値段を見ます。出品者の説明で数字を補わないこと。これは疑っているのではなく、出品者も確かめようがないからです。
Big E・small e・ケアタグ・ポケットで年代を絞る

| 見る場所 | 公式に確認できる目安 | 使い方 |
|---|---|---|
| 赤タブ | Big Eは1971年以前、small eは1971年以降の目安 | 移行期や交換を考え、他要素と組み合わせる |
| ケアタグ | 紙(布)タグは1974年以降。米FTCのケア表示制度は1971年公布 | 有無・素材・言語・印刷・縫い方を見る。付いていれば1966年は除外 |
| ボタン裏 | 製造工場コード。古い品は1・2桁、新しい品は3桁が一般的 | 内タグ上の工場コード候補と照合する |
| サイドポケット | デニムジャケットへの追加は概ね1981年から | ポケットなしなら概ね1981年以前を支持する |
| 型 | Type IIIは1962年頃(557XX)から。70505は1966〜67年頃に557から移行した後継Lot | 70505という品番と外観(V字切替・左右の胸ポケット)が合うかを見る |
米国ではFTCのCare Labeling Ruleが1971年に公布され、衣料のケア情報をラベルで示す制度が整いました。これがケアタグを1970年代個体の強い手掛かりにする背景ですが、法律の発効だけで各工場の在庫や切替日を日単位に確定できるわけではありません。
動画で見る、実物での年代判別
数字より先に「タグ形状と生地感」で年代を絞る——この実物ベースの手順は、コレクターの解説動画がわかりやすいです。下の動画では、横長のsmall eケアタグが66前期相当(70年代半ば)、縦長ケアタグは66後期寄りのべったりした色落ちに対応する、という見方が示されます(制作者個人の考察で、公式資料と同じ根拠としては扱いません)。
70505の年代判別:ケアタグと生地感で読む
YouTubeで見る(ゆうじの『ストラット・アラウンド』)。個人の考察動画のため、数値コードの確定ではなく「仕様で絞る」考え方の補助として。
復刻を先に弾く——これは真贋の話ではない

年代判別でいちばん多い行き違いが、ここだと思っています。復刻は偽物ではありません。Levi’s自身が、過去のLot番号とディテールを再現して作っている正規の製品です。偽物を見抜く目で見ても、見抜けません。作っているのが同じ会社だからです。
だからぼくは、真贋の前に「これは当時の個体か、あとから作られた個体か」を分ける工程を置いています。そして、ここは感覚ではなく制度で弾けます。
洗濯表示の記号体系は、年代を裏切らない
日本で新品として売られる衣料品には、家庭用品品質表示法に基づく取扱表示が必要です。そして日本の洗濯表示は2016年12月1日から、ISOに合わせた新JIS L0001の体系(記号41種)に変わりました。さらに2024年8月20日にも改正があります。
逆向きも使えます。旧JIS L0217の「洗濯機」「弱」といった文字併記の記号なら、日本での流通は2016年より前。記号の体系そのものが、年代の下限と上限を切ります。
ただし条件を付けます。並行輸入品や、海外で買って持ち帰った個体には日本の表示が付きません。あとから販売店が下げ札や縫い付けタグを足すこともありますし、改正には経過措置もありました。「日本の新しい記号がある=復刻」までは言えますが、「無い=オリジナル」とは言えません。片方向にしか効かない道具として使います。
PC9という文字を探す
もうひとつ、公式に確認できる手掛かりがあります。Levi’sは現行の商品コードについて、洗濯・ケアラベル上に「PC9 00505-4886」という形式で記載されると説明しています。検索するときはPC9の後の数字だけを入れてください、という案内です。
つまりケアラベルにPC9の文字があれば、それは現行の商品コード体系で作られた個体ということになります。1970年代の紙ケアタグに、この表記はありません。
数字から入ると、復刻の再現された数字を当時の数字として読んでしまいます。再現されているのだから、当然そうなります。
なお、復刻と分かったからといって価値が無いわけではありません。Levi’sが当時の仕様を研究して作り直したものなので、着るための一着としては優秀です。ただし年代の話と値段の話がずれるので、そこだけは混ぜないようにしています。
数字だけで真贋を決めない
本物のコードを写した偽造品も、補修でボタンが交換された本物もあり得ます。数字の一致は確認項目のひとつで、鑑定書ではありません。縫製・パッチ・タブ・ボタン・リベット・生地・サイズ感まで、同じ時代の仕様として矛盾しないかを見ます。
赤タブに文字がなく®だけの「ブランクタブ」も、それだけで偽物ではありません。Levi’s公式は、タブ形状の商標を維持する目的で現在も一部製品に意図的にブランクタブを使うと説明しています(付き始めは1971年以降)。
実物確認チェックリスト
- ケアタグの記号体系とPC9表記を見て、復刻・現行の可能性を先に外す
- 長い品番をモデルと末尾コードに分ける
- ケアタグの形・素材・言語・印刷方式からおおまかな年代を絞る(紙タグなら1974年以降)
- 年月コード候補を読み、どの年代の数字なら仕様と整合するか考える
- 工場コード候補をボタン裏刻印と照合する
- 赤タブ・ポケット・パッチ・縫製・製造国の表示に矛盾がないか確認する
- 読めない部分は「不明」のまま残し、価値や真贋を断定しない
確認できたこと/確認できなかったこと
確認できたこと(公式・政府資料)
70505がType III型のLotであること、Type IIIが1962年頃(557XX)から始まり70505が1966〜67年頃に移行した後継であること、Big Eとsmall e・ケアタグ・ボタン裏の工場コード・概ね1981年のサイドポケット追加を年代判断に使えること。FTC資料からケア表示制度が1971年に成立したこと。紙タグが1974年以降であること。
確認できなかったこと
Levi Straussが公開した歴代全工場コード表と、すべてのタグ様式に共通する製造年月コード表。個体差や部材移行もあるため、本記事は一つの数字だけで製造年や真贋を保証するものではありません。
よくある質問
タグが消えていたら年代は分からない?
年月まで絞れないことはありますが、赤タブ・ポケット・パッチ・ボタン刻印・縫製から年代幅を推定できます。分からない精度を月まで狭めないことが大切です。
ボタン裏とタグの番号が違ったら偽物?
交換ボタンや誤読の可能性もあります。違いは警戒材料ですが、それだけで結論を出さず、ほかのボタンと縫製も確認します。
0217は製造年?
いいえ。70505-0217の0217は、生地・色・仕上げ側のコードです(02=防縮、17=インディゴ/リジッド)。具体例は70505のタグ深掘りで。
参考にした公式・専門資料
読み方が分かったら
タグの次は、実物の状態。
タグの並び、実寸、色落ちを写真で確認。いま販売中のヴィンテージLevi’sを見比べてみてください。
- タグの並び
- 実寸
- 色落ち
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