60s か70sBIG Eリーバイスデニムジャケット 70505 ボタン裏521
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紙パッチに70505-0217、白いケアタグの左上に066、右上に052。この3組は何を示すのか。数字を別々に検索するのではなく、モデル・年代・工場・生地仕様という役割に分け、ジャケットの外観と当時の資料まで照合します。ひとつの数字で決めず、仕様で年代を絞ってからコードを読むのが、ぼくの順番です。
066は1970年代紙タグの製造年月コードとして1976年6月、052は工場コード候補、70505-0217はモデルと生地・仕上げの組合せと読めます。工場コード52は、コレクター資料ではアーカンソー州フェイエットビル工場に対応するとされます——ただしLevi’s公開の歴代工場コード表は確認できておらず、工場の断定にはボタン裏52の確認が要ります。年代の確度は高く、工場の確度はそれより一段低い。今回の写真で重要なのは、数字そのものより印刷されている場所です。左上と右上の短い3桁、中央のハイフン付き番号は、同じ目的の連番ではありません。
70505で検索すると、「復刻 見分け方」「現行」という語が一緒に出てきます。これは当然で、Levi’s自身が70505を復刻しているからです。復刻は偽物ではありません。だから偽物を見抜く目では分かれません。
そして困ったことに、復刻は066のような数字も再現します。再現するのが目的なのだから当たり前です。つまり数字から読み始めると、いちばん最初に間違えます。
ただしこれは片方向にしか効きません。「新しい記号がある=当時の個体ではない」とは言えますが、「無い=オリジナル」とは言えない。並行輸入や海外で買った個体には日本の表示が付かないからです。詳しくはタグ・製造年月の見方のほうに書きました。
ここを通過して、はじめて066を読みにいきます。

1970年代の白い紙状ケアタグでは、左上3桁を月2桁+年末尾1桁として読む実例が、古着専門ブログの70505記事などで確認できます。066なら、最初の06が6月、最後の6が西暦の末尾です。これはコレクター資料に基づく有力説で、Levi’s公式が公開した年月コード表で確定したものではありません。だから数字だけで年を当てず、まず仕様で年代を絞ります。
末尾6の候補は1966・1976・1986年。ここで効くのが、紙(布)のケアタグは1974年以降にしか付かないという点です。ケアタグ付きというだけで1966年は外れます。残る1976年と1986年は、次の仕様で分かれます。
1974年以降に導入。付いている時点で1966年は除外。
公式の目安で1971年以降。1976年と矛盾しない。
公式はサイドポケット追加を概ね1981年と説明。1986年説と合わない。
紙タグ・small e・70505・サイドポケットなしという条件は1970年代中盤にまとまり、1986年とは合いません。だから066は1976年6月と読むのが自然です。066だけで年を当てるのではなく、先に外観とタグ様式で「1970年代」を確定し、最後に月まで狭める——この順番が肝心です。

右上の052は製造年月ではなく、工場コードと考えます。Levi’s公式は、ジャケットのボタン裏刻印が製造工場を示すと説明しています。タグの052と最上段ボタン裏の52が一致すれば、先頭ゼロを除いた同じコードとして整合します。
ここで大事なのは、ボタン裏をまだ確認していないなら「工場コード52で確定」とは書かないことです。提示写真から読み取れたのはタグ上の052まで。購入前には、最上段を含む各ボタン裏の追加写真を依頼したいところです。
コレクターの工場コード資料では、52はFayetteville, Arkansasに対応するとされています。一方、Levi Straussの1971年会社資料には、当時の米国内工場としてFayettevilleが実際に掲載されています。コードと所在地の結び付けはコレクター資料、工場の存在は会社資料——確度の段差があることは、はっきりさせておきます。

Type III(現在Trucker Jacketと呼ばれる型)は1962年頃の557XXから始まり、70505は1966〜67年頃に557から品番が移行した後継Lotです。左右の胸ポケット、尖ったフラップ、前身頃のV字切り替えがType IIIの基本で、古着市場では「4th」と呼ばれることも多いモデルです。
Levi’sの現行商品コードは、先頭5桁がスタイル、末尾4桁が仕上げ・ウォッシュを示します。1970年代のLot表記を現行PC9と完全に同一視はできませんが、専門資料では02を防縮加工済みデニム、17をインディゴ/リジッド系の色・生地コードと説明しています。Levi’s Japanの505-0217復刻商品でも、02をプリシュランク、17をリジッドとする説明を確認できます。つまり70505-0217は「2017年製」を示しません。製造年月は別の066から読みます。
ここから先は「ボタン裏の52が確認でき、かつコレクター資料どおり52がフェイエットビルを指すなら」という条件付きの話として読んでください。年代(1976年)は仕様照合で堅い一方、工場の特定は上の2段の前提に乗っています。
フェイエットビルは、アーカンソー州北西部の大学都市です。Levi Strauss & Co.の1971年ファクトシートは、同社が米国内で運営する工場のアーカンソー州拠点としてArkadelphia、Fayetteville、Harrison、Morrilton、Star Cityを挙げています。1976年のこの読みが正しければ、この一着は、Levi’sが全米各地の自社・管理工場で大規模生産していた時代の服ということになります。
約20年後、工場を取り巻く状況は変わります。米国労働省のFederal Registerは、Fayetteville工場を含むLevi Straussの労働者について、輸入増加の影響を受けた労働者向け調整援助の対象を記録しています。所在地は1800 Stirman Avenue。1997年11月に会社が米国内工場の閉鎖を発表した時期と重なります。
フェイエットビル市の2008年計画資料は、1800 Stirmanの旧工場跡をLevi Storage Centerとして記録しています。現在も同住所では同名の保管施設が営業しています。建物の用途は変わりましたが、工場番号52とされる刻印は、そこで働いた人と1970年代の米国縫製を一着ごとに結び付ける痕跡です——この読みが正しければ、の話ですが。
ぼくが70505に惹かれるのは、たぶんこの「番号から地名と人が立ち上がる」感覚のせいです。年代を当てて終わりではなく、数字から地名が見え、地名から生産拠点の盛衰へつながる。70505の紙タグは、服の仕様書であると同時に、産業史の小さな断片でもあります。
数値コードより先に「タグ形状と生地感」で年代を絞る手順は、コレクターの解説動画がわかりやすいです。横長のsmall eケアタグが66前期相当(70年代半ば)、縦長ケアタグが66後期寄りのべったりした色落ちに対応する、という見方が示されます。
YouTubeで見る(ゆうじの『ストラット・アラウンド』)。個人の考察動画のため、数値コードの確定ではなく「仕様で絞る」考え方の補助として。
どこを見るかという一覧そのものは、タグ・製造年月の見方に一般の形で置いてあります。こちらは、それをこの一着に当てて矛盾を探すための表です。
ここまで赤タブ、ケアタグ、ポケット、ボタン裏を別々の節で書いてきました。実物を前にしたときは、上から順に見られるほうが早いので、まとめ直します。
| 見る場所 | 読み取れること | 根拠の強さ |
|---|---|---|
| 赤タブ | Big E=1971年以前、small e=1971年以降が目安 | 公式。ただし移行期あり、交換もあり得る |
| 紙(布)ケアタグ | 付いていれば1974年以降 | 単一源(古着専門ブログ) |
| サイドポケット | 概ね1981年に追加。無ければそれ以前 | 有力説 |
| ボタン裏の刻印 | 1〜2桁は1981年より前、3桁は新しい個体に一般的 | 有力説。例外のない規則ではない |
| 紙パッチの品番 | 70505=Type III(4th)のLot。557XXの後継 | 公式+コレクター資料 |
| ケアタグのISO記号 | あれば日本で2016年12月以降に新品流通=当時の個体ではない | 公式(消費者庁)+推論 |
| PC9の文字 | 現行の商品コード体系 | 公式(Levi’s) |
逆に、すべてが同じ年代に収まるなら、その一致自体が根拠になります。この70505なら、small e・紙ケアタグ・サイドポケット無しが揃って1970年代中盤を指し、066の末尾6もそこに収まる。ひとつの数字ではなく、複数の仕様が同じ方向を向いていることが、いちばん強い材料です。
70505がType III型のLotで557XXの後継であること、Type IIIが1962年頃に始まったこと、Big E・ケアタグ・ボタン裏刻印・概ね1981年のサイドポケット追加が年代判断の手掛かりになること、紙タグが1974年以降であること、1971年にFayetteville工場が存在したこと、1990年代末に同工場の労働者が調整援助の対象になったこと。
この紙タグ様式で066を1976年6月と読むこと、タグ上の052をボタン裏52と照合すること、工場コード52をFayettevilleへ対応させること。複数の実物例と周辺仕様は整合しますが、公開されたLevi’s社内コード原票ではありません。
提示写真だけでは、ボタン裏52・赤タブ・サイドポケット・縫製・リペアの全項目を同時確認できていません。1976年当時の0217定義を直接示す社内仕様書と、フェイエットビル工場の正確な最終稼働日も確認できませんでした。
条件がそろったら
年代とサイズを、実物で。
タグの表記、実寸、生地の状態を写真で確認。いま販売中の70505を見比べてみてください。
メルカリの検索結果へ移動します
066は1986年6月ではない?
数字だけなら年末尾6しか分かりません。ただ紙ケアタグは1974年以降なので1966年は外れ、small e・70505・サイドポケットなしという条件は1970年代中盤と整合し、1986年とは合いません。
052と52は別の工場?
この読み方では、052は先頭ゼロを付けた工場コードで、ボタン裏52と照合します。ボタン写真がなければ一致は未確認です。
0217はリジッドなのに、なぜ色落ちしている?
0217は出荷時の生地・仕上げ側の仕様です。着用と洗濯を重ねればインディゴは摩耗し、現在は色落ちした表情になります。色落ちの仕組みと洗い方もどうぞ。
ここまでの読み方は、実物に当てて初めて身につきます。いま出ている70505を並べました。
見る順番はこの記事のとおりです。まず洗濯表示の記号とPC9で復刻を弾く。
次に赤タブ、紙ケアタグ、サイドポケット、ボタン裏を一枚の表で突き合わせる。
矛盾が出たら、結論を出さずに次の候補へ。
タグの写真が無い出品は、この時点では判断材料が足りません。追加写真を頼むところからです。
一着目なら、ぼくは迷わずここをすすめます。70505は60年代からほぼ形が変わっていない定番で、同じ型番でも前の持ち主の着方しだいで色落ちが一着ずつ違う——それを見比べられるのがこの一覧の楽しさです。色の濃さで2〜3着に絞って、買う前に実寸(肩幅・身幅・着丈)を質問するところまでがセットです。
60s か70sBIG Eリーバイスデニムジャケット 70505 ボタン裏521
¥16,800
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